回路の動作原理
DC/DC降圧コンバータは、入力された直流電圧を降圧して出力します。回路の動作はスイッチ(MOSFET)の導通状態に依存します:
- ターンオン状態: インダクタに流れる電流が増加し還流ダイオードは逆止状態になります。
- ターンオフ状態: インダクタが電流を流し続けようとするため、還流が発生しダイオードが導通し転流を始めます。電力がインダクタからキャパシタへ移動するため、インダクタの電流値が減少します。定常状態での動作は以下になります:
- インダクタを流れる電流が「0A」の場合は、不連続導通モード(DCM)で動作します。
- インダクタを流れる電流が「0A以上」の場合は、連続導通モード(CCM)で動作します。
回路には2つの動作制限があります。 PWMのデューティ比:Dが「0」の場合は、出力電圧は「0V」になり、PWMのデューティ比:Dが「1」の場合は、出力電圧が入力電圧(Vin)と同一になります。上記の制限により、連続導通モード(CCM)で動作する降圧コンバータの出力電圧は次の式によって定義されます:Vout = D・Vin
上モデル図のように、インダクタおよびキャパシタを並列接続した場合は、出力電圧のリップルを低減する2次ローパスフィルタとして動作することに留意して下さい。
シミュレーションモデルでの実験
- コンバータのPWMデューティ比を「0.3」から「0.5」へ変更して、出力電圧の平均値が「7.2V」から「12V」へ上昇することを確認して下さい。
- 抵抗値を「50Ω」から「5Ω」へ変更し、コンバータが不連続導通モード(DCM)で動作することを確認して下さい。