ソルバの選択で、「stiff」と「non-stiff」がありますが、どういう意味ですか？

シミュレーションソフトのソルバ設定で目にする、スティッフネス（Stiffness）とは、 実際のハードウェアに対する、物理的な現象を示すのではなく、コンピュータ上の連続系システムのシミュレーションで発生する、数値的な問題を指します。 一般的に、スティッフネス（Stiffness）は、モデル内の時定数が、複数オーダーに広がっている状態として記述されます。

stiff/non-stiffソルバには、異なるアルゴリズムが採用されており、それぞれに独自の安定領域があります。 stiffな微分方程式を解くには、stiffソルバが適しており、 non-stiffな微分方程式を解くには、non-stiffソルバが適しています。

stiff/non-stiffシステムに対する、ソルバ使用方法に関する明確な指針はありませんが、モデルに対し、間違ったソルバを選択した場合は、シミュレーション速度・精度の低下が発生します。 stiffなモデルの判別が難しい場合は、同一設定のstiff/non-stiffソルバでシミュレーションを実行し、 シミュレーション結果の総合的な精度・速度により、ソルバを選択することをお勧めします。

スティッフネス（Stiffness）問題が、明確に発生するのは、ダイオードの逆回復モデルのような、非常に小さな時定数パラメータを用いるコンポーネントがモデル内に存在する場合です。