Linux環境のライセンスサーバー設定

Linux(Ubuntu 16.04)端末でFlexNet License Managerを設定する手順を説明します。他のLinuxシステムの場合、手順が異なる可能性があります。

Before You Begin

ライセンスサーバーとの接続には、サーバー端末とクライアント端末間のインターネット接続が必要になります。サーバー端末はクライアント端末からの確認信号を、2つのTCPポートで受信/接続する必要があります。1つはライセンスマネージャープロセスlmgrd用で、もう1つはベンダーデーモンプロセスplexim用になります。

Plexim社から発行されるサーバー用ライセンスファイル「plexim.lic」の記述を変更せず使用する場合、デフォルト設定として、ライセンスマネージャーは27000~27009の範囲のTPCポート、ベンダーデーモンはベンダーが選択するランダムなポート番号へ接続し、ライセンスデーモンが動作します。

最も安定して動作する条件としては、2つの専用ポート、またはその他の未使用ポート番号(27000~27009の範囲外)を割り当てることをお勧めします。ここで、サーバー端末とクライアント端末間にポートベースのファイアウォールがある場合、または27000~27009のポート番号範囲に空きポートがない場合は、専用のポート番号を割り当てる必要があります。

専用ポート番号を割り当てるには、サーバーライセンス用ファイル「plexim.lic」の記述を下記に従って変更して下さい:

SERVER this_host <hostid> <port1>
VENDOR plexim PORT=<port2>
​[...]

ライセンスマネージャーのポート番号 <port1> が27000~27009の範囲外の場合、クライアントライセンス用ファイル「network.lic」の記述を変更して任意のポート番号を指定する必要があります:

SERVER <licenseserver> ANY <port1>
​USE_SERVER

(上記、太字で表示される「<」と「>」記号は実際のライセンスファイルには入力しません)

ライセンスサーバーのインストール

  1. インストールされていない場合は、下記コマンドでlsb-coreパッケージをインストールして下さい:
    sudo apt install lsb-core
  2. https://www.plexim.com/dstlmから使用環境に適したLinuxパッケージをダウンロードし、適切な場所(例:/opt/PLECS_License_Manager)に展開/格納して下さい::
    sudo mkdir -p /opt/PLECS_License_Manager
    cd /opt/PLECS_License_Manager
    sudo tar -xzf ~/Downloads/flexnet_11_13_1_linux64.tar.gz
    

    *注* ベンダーデーモンplexim.exeの参照名と競合する可能性があるため、フォルダ名称として「Plexim」または「plexim」を設定しないで下さい。

  3. サーバー用ライセンスファイルplexim.licをインストールディレクトリ(/ opt / PLECS_License_Manager)に格納して、ファイル属性が読み取り可能(world readable)になっていることを確認して下さい:
    sudo chmod 644 /opt/PLECS_License_Manager/plexim.lic
  4. /usr/tmpから/tmpディレクトリへのシンボリックリンクを作成して下さい::
    sudo ln -s /tmp /usr/tmp
    sudo chmod 1777 /usr/tmp
  5. 新しいシステムユーザーとグループ(例:flexlm)を作成して下さい::
    sudo adduser --system --group --no-create-home flexlm
  6. ログファイルディレクトリ/var/log/flexlmを作成し、作成したグループ(flexlm)に対して書き込み可能にして下さい::
    sudo mkdir /var/log/flexlm
    sudo chgrp flexlm /var/log/flexlm
    sudo chmod g+w /var/log/flexlm
  7. 下記内容の記述に従ってASCIIファイル/etc/systemd/system/PLECS_License_Manager.serviceを作成して下さい:
    [Unit]
    Description=PLECS License Manager
    After=network.target network.service
    
    [Service]
    Environment=LICENSE_FILE=/opt/PLECS_License_Manager/plexim.lic
    Environment=LOG_FILE=/var/log/flexlm/PLECS_License_Manager.log
    WorkingDirectory=/opt/PLECS_License_Manager/
    ExecStart=/opt/PLECS_License_Manager/lmgrd -c $LICENSE_FILE -l $LOG_FILE
    Restart=always
    RestartSec=30
    Type=forking
    User=flexlm
    Group=flexlm
    
    [Install]
    WantedBy=multi-user.target
  8. サービスの起動テストをして下さい:
    sudo systemctl start PLECS_License_Manager.service
  9. ログファイル/var/log/flexlm/PLECS_License_Manager.logを確認して下さい。最終行が下記のように表示されます(SLOGは省略):
    14:00:38 (lmgrd) FlexNet Licensing (v11.13.1.3 build 176483 x64_lsb) started on AMPERE (linux)
    14:00:38 (lmgrd) Copyright (c) 1988-2015 Flexera Software LLC. All Rights Reserved.
    14:00:38 (lmgrd) World Wide Web:  http://www.flexerasoftware.com
    14:00:38 (lmgrd) License file(s): /opt/PLECS_License_Manager/plexim.lic
    14:00:38 (lmgrd) lmgrd tcp-port 27000
    14:00:38 (lmgrd) Starting vendor daemons ... 
    14:00:38 (lmgrd) Started plexim (internet tcp_port 52731 pid 1233)
    14:00:38 (plexim) FlexNet Licensing version v11.13.1.3 build 176483 x64_lsb
    14:00:38 (plexim) Server started on AMPERE for:	plecsedit	
    14:00:38 (plexim) EXTERNAL FILTERS are OFF
    14:00:38 (lmgrd) plexim using TCP-port 52731
    
  10. 設定に問題がない場合はサービスが自動起動する設定に変更します:
    sudo systemctl enable PLECS_License_Manager.service

次のステップ

必要に応じてクライアント用ライセンスファイル「network.lic」を編集し、エンドユーザーに配布して下さい。

PLECSがライセンスサーバーを認識できない場合は、トラブルシューティングガイドに従って問題を特定してください。