単相電池充電システム

PLECSのデモモデルに含まれている、この事例では、カスケード接続したAC/DC、DC/DCコンバータを含む、 系統連携電池充電システムをモデリングしています。 AC/DCコンバータはデジタルPI制御器によって、DCバス電圧を300Vに制御し、力率補正(PFC)を実行します。 DC/DCコンバータの定格電力は1.4kWで、最大120VDCを出力するように設計されています。

AC/DCコンバータ

AC/DCコンバータは、1段のローパスフィルタを介して、系統(AC側端子)に接続されています。回路トポロジは、インターリーブPFC昇圧コンバータです。

力率補正(PFC)を実現し、DC電圧を指令値に制御するために、 電圧/電流転流用デジタル制御ループが実装されています。 DC電圧が検出され、目標となるバス電圧指令値と比較します。 アンチワインドアップ付きデジタル電圧補償器は、DC電流指令値を制御します。 この指令値は、PFCを実施するため、AC電流指令値に変換されます。

電流補償器は、デューティ比に変換される電圧指令値を制御します。 デューティ比は、2つの対称インターリーブPWMブロックによって参照されます。

DC/DCコンバータ

DC/DCコンバータは、出力側に倍電流整流回路を備えた、位相シフト共振コンバータによって実装されています。 電圧源として整流された400VDCが入力されます。 変圧器にはガルバニック絶縁が施されており、巻線比は、出力電圧が48-50 VDCとなるよう調整されています。 倍電流整流回路は、インダクタ/ダイオードを含む、二次側の出力電流経路を、2つに分岐して実装しています。 磁性部品サイズをコンパクト化するため、変圧器とフィルタ回路のインダクタはコアを共有しています。 位相シフト変調により、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)が実施され、MOSFETのターンオン損失がゼロになります。

シミュレーション

AC/DCコンバータは、バス電圧が300VDCとなるように制御されています。 出力電圧の指令値は96VDCから、t=0.2秒で120VDCに変更されます。 電圧値がステップ変化することにより、負荷電流が大きくなり、 バス電圧も放電に伴い低下する出力となります。 t=0.35秒で、出力電圧は120VDCに変更され、負荷が2倍になり、 バスキャパシタの負荷電流増加によって、再度、放電されます。

Try it

モデルは、PLECS Blockset/Standaloneの「PLECSデモモデル」ライブラリに格納されています。